顔面神経麻痺

痺顔面神経麻痺は、顔面神経によって支配されている顔面筋の運動麻痺です。
原因疾患として多いのは、ヘルペスウイルス感染症で、典型的には口唇こうしんヘルペスを以前患った方が突然の顔面神経麻痺で発症します。ほかには腫瘍しゅようや代謝疾患が原因となる場合もあります。
しかし、そのほとんど(60~70%)が原因不明のものでベル麻痺とよばれています。

顔面神経麻痺になると目が閉じれない、口がつむれないなどによる日常生活の支障のほか
一番は人前に出ること、社会的に苦痛を感じることが多くみられます。

ベル麻痺は治りやすい病気で、麻痺が軽度であれば1~2カ月で完全に治ります。麻痺が高度な(まったく動かない)場合、治癒率は80~90%程度であり、6~12カ月経過して麻痺が残ったり、まぶたと口がいっしょに動く病的共同運動、けいれんやひきつれなどの後遺症を残す症例も少なからずみられます。

専門は耳鼻咽喉科で治療はステロイド、血流改善薬、ビタミン剤が主な治療手段です。

鍼灸院では病院で治らなかった患者さんがインターネットで調べて来られるケースがほとんどです。
その大半は発症して何か月か経過した高度なベル麻痺の患者さんが多いように思います。
当院では顔面神経スコアで評価しながら鍼とリハビリで対応しています。


症例1  36歳男性
昨年暮れに発症。右顔面の麻痺で閉眼ができず目が乾き痛みがでる。口も閉じないので水がこぼれる。
五か月間病院での治療を受けたが改善が見られないため当院を受診しました。
治療経過
治療3回目 顔の筋肉に力が入るようになってきた。
治療5回目 医師におでこのしわが出てきたと評価された。
治療6回目 まだ水を口に含むと漏れてしまうが、食べ物が口内に溜まらなくなった。閉眼できるようになる。
現在治療中

症例2  68歳女性
家庭の事情で精神的なストレスを抱え、顔のピリピリ感を感じた翌日に右顔面が動かなくなる。
病院に行ってベル麻痺と診断されたが薬を飲みたくないため鍼灸で何とかしてほしいとのこと。
治療経過
治療2回目 一回目の治療後から口が動くようになる。
治療4回目 閉眼とおでこのしわが寄るようになった。
治療6回目 口すぼめができるが力がまだ入らない。リハビリ強化
治療8回目 見た目は全くわからないまでに治る。

症例1は現在加療中で経過はかなり良い高度な麻痺で、経過も長いのでどうかと思いましたが
年齢からして回復が良好であったのではないでしょうか。
症例2は発症して翌日に来院されたためすこぶる回復が早かったです。本人の許可があれば
写真を掲載したいぐらい完治しています。
当院では治療経過がわかるように写真を撮って評価しております。

結果
まずは病院を受診して、ベル麻痺と診断されたらすぐに鍼灸院を受診して治療を開始すると
回復が早くなるます。顔面神経麻痺であっても脳障害によるものもあるのでまずは病院を受診してください。

鍼灸が皆様のお役に立てれば幸いです!!