痛みについて

「腰が慢性的に痛い」「4番、5番がズレているから」「骨が神経を圧迫」
このような訴えはよく耳にしますね。
しかし痛みとは単純にそれだけで起こしているのでしょうか?
興味深いものがあったのでご紹介します。

ニューロマトリックス理論
脳は、身体イメージ「ニューロマトリックス」を把握するために、大きく3つの情報を統合して捉えています。
【認知】
  ★文化的背景、過去の経験、性格特性
  ★注意集中、予期、不安、抑うつ

【情動】
  ★視床下部―脳下垂体―副腎系
  ★交感神経系(ノルアドレナリン)
  ★免疫系(サイトカインを含む)
  ★内分泌系
  ★大脳辺縁系(内因性オピオイド)

【感覚】
  ★皮膚感覚(触覚・圧覚・温覚・冷覚・痛覚)
  ★深部感覚(運動感覚・深部痛)
  ★内臓感覚(臓器感覚・内臓痛)
  ★特殊感覚(視覚・聴覚・平衡感覚・味覚・嗅覚)

これらの情報を元に身体イメージを作り出し、多次元に疼痛を作り出したり、同時に''行動''や''ホメオスタシス''にも影響を与えているのです。

「感覚」だけでなく、''「認知」''や''「情動」''も加わり、痛みを作り出し、また症状に影響を与えていると言うことが大きなポイントです。
ケガをしたとき、ケガしていることに気づいた途端に、強い痛みを自覚したりしますよね。
この理論により、今まで説明がつかなかった、切断された手足が痛む幻肢痛や心身症、プラシーボ効果など、心と身体の関係性も説明が可能になります。

慢性的に痛むもの、天候によって痛むもの、日によって・機嫌・疲れ・ストレスなどによって増悪される症状は局所的に問題があるのでなく認知や情動などが痛みの原因になっている可能性があります。認知を変えるには症状に対する考え方また、その人の思考・性格も見直してはいかないといけないのです。過去にとらわれる方が多いように思います。深呼吸をして良くなったら何をしたいと目標を立てることも治療なのです。