失眠

眠れないので「失眠」にお灸をしてください。という患者さんが来院されました。
失眠とは字のごとく失った睡眠状態(不眠症)を改善するツボです。

何でこんなところが不眠に効くのでしょうか?
私の見解:眠れないときって考え事が多かったり、精神的に疲労困憊な時です。
こんな時は脳神経が過剰に興奮している状態です。つまり上に熱が上り下が冷たい(足が冷えている)
状態になっています。そこで足を温め熱を下す・分散させて緊張を緩和しているのです。
もう一つは踵は腎に属します。腎臓には副腎髄質にアドレナリンを出す器官があります。
精神的な緊張はアドレナリンを過剰に放出するので副腎疲労を起こしてしまいます。
そこで腎を補う治療として失眠にお灸を据えると考えれば効率的です。
しかし臨床的には失眠だけでは不眠は治せませんよ!
自律神経の全身治療と日頃の生活習慣、考え方を変えるような努力も必要になります。

ツボって面白いです。
東洋医学でありながら西洋医学の生理学や解剖学と精通している事がたくさんあります。
鍼灸師はツボの反応でどこの臓器が弱っているのか、何のホルモンが過剰に分泌しているのか
どこに炎症があるのか。なぜ免疫過剰になっているのかなど
そこから起こる筋骨格の歪みを解明し診断治療していくのです。
それらはツボの反応、皮膚の状態が教えてくれるのです。