鍼の作用機序

鍼をすると体で起こっていること。大きく説明すれば以下の4つです。

・血流改善

・筋緊張緩和

・下行性抑制系の賦活

・体性-自律神経反射

血流改善

  • 鍼をするとそこが温かく感じたり、治療後からだがポカポカ感じます。また鍼を刺している周囲が赤くなったりのは鍼をすることで軸索反射という現象が起こり血流が良くなります。

筋緊張緩和

筋肉に鍼をすると(1a,1b抑制)緊張して硬くなっていた筋肉が柔らかくなってきます。鍼に電気を流すと筋肉がピクピク動きさらに筋肉の緊張をとります。硬さが緩むことで血液や痛みの物質が流れ細胞を活性化してくれます。

下行性抑制系の賦活

下行性抑制とは難しい単語です。鍼をするとその刺激が神経を伝わり脳に伝わり脳から内因性オピオイド(ノルアドレナリン、セロトニン、エンケファリン)が分泌されます。鎮痛効果の他に、不安感が軽減する、眠くなる、スッキリするなどの効果をもたらしてくれます。

体性-自律神経反射

皮膚や筋肉には神経を介して内臓につながる部位があります。また内臓の異変が皮膚や筋肉に反映されることがあります。例えば胃の調子が悪ければ胃の裏側背中が痛くなったり。心臓の痛みが左腕に出現するなど関連があります。背骨には内臓に関連した場所が多く存在します。足三里に鍼をすれば胃がぐるぐる動くのも反射の現象です。体の反射を利用して自律神経を整えていきます。

 

鍼は生体の機能を利用し身体を正し、結果自分の治る力で回復する。そんな「きっかけ作り」をしている治療法です。きっかけを何度か作ることで症状の改善へと導いたり、病になりにくい体にするようになります。もちろん日常生活での原因を改善していかないといけませんが。皆さんと一緒に良くしていきましょう!