東洋医学は病名治療ではない

シャルコマリートゥース病、ギランバレー症候群、多系統萎縮症、パーキンソン病、線維筋痛症、強皮症、各種癌、リウマチ、アトピー性皮膚炎・・・・西洋医学の病名ですが僕たちは「この病気にはこのツボ」という治療ではありません。本来、東洋医学は体の気血水、五臓六腑、経絡のバランスを整える(中庸)、自らの力で治る体にするので見ているところが西洋医学と全く違います。ですから鍼灸の適応疾患は全ての診療科目に相当するわけです。当院では全身治療で必ず全体を整えてから局所的な筋骨格、神経など現代医学的な観点も入れて治療していきます。頭が痛いのに何で足に鍼をするの?腰が痛いのに何で手の甲に鍼をするの?というのは全体のバランスを治療しているわけです。

難病は難病

では癌が鍼で治るのか?答えは鍼では治りません。鍼は相対的な体の状態を向上さたり過剰なものを抑制する治療です。癌体質である低体温、低酸素、高血糖であることを考えると、それらを東洋医学的に分析し治療します。(癌は気滞から瘀血が絡み津液が痰濁することにより形成されます。みたいな。)そして瘀血を治し体温を上げるようなツボにお灸をしたり、実のある臓器の背部兪穴(背中のツボ)にカッピングを行ったりして体質改善を行います。後は本人の体力が邪に打ち勝つようになれば良いのです。

  • まとめ
  • 本に書いてある「この病気にはこのツボ」というのは全ての人に当てはまりません。病名が西洋医学でその処方が東洋医学ってヘンテコなことになりますよね。まず考え方が違うので病名治療というのもおかしいことです。むしろ僕たち中医学を学んだ治療家には「目の使い過ぎで肝血虚のになりました。肝血虚のツボを教えてください。」と言われた方がまだお答えしやすいのです。